アメリカ西海岸縦断・アナトメタル本社編 - ジュエリー製作過程 -

旅から戻って2週間、やっと仕事が追いついてきたぁ(^-^)
あぁ、そろそろ臨機応変に私の仕事を分担してくれる、そして、それを安心して任せられる右腕が欲しいぞぉ。
ホント、一昨日くらいまで、まるで得体の知れない何かに追われているような、そんな気分でしたからねぇ。
まあ、どんなに忙しくても、しっかり寝て、しっかり作って食べるあたりが、私のいいところなんですけど(笑)

雑談はこの辺にして、今日はついに、女子よりは、男子やピアスショップのスタッフさんなんかが飛びつきそうな、アナトメタル本社編 - ジュエリー製作過程 -をお伝えしちゃいます!!

以前に、とある同業者からすっかりそのまま技術とデザインを盗まれたこともあり、勿論、企業秘密的な部分も僅かながらあるわけで、そこは撮影NGでしたが、それ以外の85%は、アナトメタルのピカピカピアスジュエリーがどのようにして完成されるのか取材できたので、堪能していただけると思いますよ!
あなたが今、ロブに着けているアイレットも、CBRも、こんな風に作られたんです♪

アナトメタル本社自社工場内の材料庫です。
どんな工場でも見かける、ただの鉄の棒に見えますが、
全て最高級の医療用インプラントグレードのチタンとサージカルステンレスです。

しっかり中身が詰まってるのが見えますか?
これを削り出してバーベルやアイレットを作るわけですから、何とも贅沢なピアスなわけです。
ちなみにすでにチューブ状に加工されたものも存在するのですが、
わざわざ中身が詰まった塊を使うのには理由があり、
それはチューブ状に加工されたものに納得がいくレベルの
チタンやステンレスが見つからないからなんですね。

「全部、とっても高価な医療用の金属ばかりなんだ!妥協しないのは素晴らしいことだよ!」
と自慢気なのは、社長バリーさん。

こちら自社工場内。
最初の加工は、この長~い機械を使用しての金属のカットです。
チタンは金属の中でも最も硬い素材なので、綺麗にカットするには
腕のいい職人と、特殊な機械が必要になります。

それぞれのジュエリーで使用する長さにカットされた金属は、
1つ1つこの精密機械に入れられます。
この機械はとてつもなく高価な分、超精密で、0.1mmの誤差も出ないそうです。
さすが日本製!!

上と同じタイプの機械です。
この精密機械はアナトメタル本社に4-5台あって、ジュエリーの形ごとに
設計がプログラムされます。
この機械では、ジュエリーの大まかな形が出来上がります。
常に4-5台がフル回転。
ディスクやボール、バーベルなどは1つにつき1-2分ですが、
複雑な形状のジュエリーや、アイレットなどは1つにつき10分以上かかります。

中はまるでエヴァンゲリオンですね(笑)


「もうプラグラム済みだから、押してごらん!」と言われ、恐る恐る…

いや~、何か凄いことになってる!!
スタートボタンを押すと、強烈な光とオイルで中は大変なことになってます。

およそ待つこと15分。
私製のアイレットの大まかな形が仕上がりました。
スタンダードアイレットで15分かかるわけだから、
何個もジェム用の溝を作らなければいけないジェムアイレット等は、
勿論、その倍以上の時間がかかり、プログラムもややっこしくなるわけです。

ちなみにこちら、同じ私製アイレットの数過程後です。

同じ頃、もう1台の機械からはこれが…

また別の1台からはこれが…

こうして大よその形を与えられたアナトメタル・ボディジュエリーの卵たちが
こうして、次の段階を待っています。
手前はスーパーオービッツアイレットの卵ですね。




こちらは、先ほどの精密機械からでた最高級チタンやステンレスのカス達です。
稀にこの中に、ジュエリーの卵が混ざってしまうことがあるため、入念にチェックします。
そして、このカス達は、リサイクルで業者に出され、今度は医療用としてではなく、
バイクや車の部品用チタンとして世に出てきます。

そして社長がとっても自慢気だったのがこれ!!
上の精密機械では大量のオイルを使用しますが、
働く人とジュエリーを着ける人の人体への影響を考えて、
アナトメタルでは一切、安価で悪質な工業用オイルは使用していないんです!!
なんと食べてもOKな植物性オイルを全てに使用しています!!

そしてジュエリーの卵達は、1つ1つの形を完璧に仕上げる職人の手に渡ります。

ジェムをセットする用の溝も、職人の手で整えられます。

勿論、ジェムのセッティングも手作業です。
接着剤などは一切使用せず、高級ジュエリー専用の金属加工による技法が用いられています。

気が遠くなるような作業です。
ちなみにジェムストーンは全て、
スワロフスキー社(元スイス・シグニティ社を技術共にスワロフスキーが買い取りました)
の最高品質の合成宝石です。
もろく壊れやすい天然石に比べ、合成宝石はとても強いため、
硬度の高いチタンやステンレスで加工しても壊れることがないので、
合成宝石が使われています。


こちらはナベルカーブの内ネジ部分を手作業で処理しているところです。

縦爪部分の処理を終え、ジェムをセッティングしています。

形が整えられ、ジェムがセッティングされたジュエリー達は、
ついに鏡面仕上げの段階に入ります。



アイレットの内側などには機械の助けを借りることが出来ません。
よって、革紐で1つ1つこの様に手磨きされるのです。
そうそう、チタンを磨くには、革がベストって知ってましたか?
傷もつかず、ピッカピカになりますよ!!


ピッカピカな鏡面仕上げ(ミラーポリッシュ)は、アナトメタルジュエリーの
トレードマークみたいなものですからね…皆さん真剣そのものの研磨作業です。

ジュエリーだけでなく、アクリリックディスプレイも勿論、Made in ANATOMETALです。

そしてピカピカに磨き上げられたジュエリー達は、1つ1つ、
この高圧洗浄機と熱湯洗浄機により、製作過程で付着した汚れをしっかり落とします。
写真ではわかりませんが、この高圧洗浄機からは
強烈な勢いで水が飛び出します。
その瞬間を撮りたかったのですが、レンズへの影響を考えると
カメラを向けることは出来ませんでした。

社長の腕には日本語で「金属細工師」


こうして、いくつもの段階を経てピッカピカに仕上がったピアスジュエリー達は、振り分けと、梱包作業に入ります。
色付き注文分は、梱包前に、陽極酸化処理加工による発色がなされます。
ちなみにこのチタンやナイオビウムの陽極酸化処理加工とは、人体に悪質な、着色加工やメッキ加工とは全く異なるものです。
特殊な電圧機を用いてチタンの表面を酸化させることにより、酸化の段階に応じて様々な色を発色できるというもので、どんな色でもチタンの高い耐食性や生体適合性には、全く変化はないわけです。

今回、この取材をして思ったことは、とにかくアナトメタルのジュエリーは、ルックスも、内容も、超一流であるということ。
自分達のやっていることに自信があってこそ、ここまで皆さんに全てをさらけ出せるわけですもんね。


出来立てほやほやの、アナトメタル新商品【ペアカットナベルカーブ】

※【ペアカットナベルカーブ】は、【オーバルカットナベルカーブ】と条件が全て同じです。
【オーバルカットナベルカーブ】のページからご注文後、
オーダーフォーム上のメッセージ欄にて「ペアカット希望」とお書き添え下さい。

こちらも出来立てほやほやの、【オーバルカットナベルカーブ】
トップのジェムに、ネジ式フラワーエンドを持ってきました。
これは、おへそにも、ロブにも超キュートな逸品ですね♪

※このセッティングでの【オーバルカットナベルカーブ】
14gaチタン製で14600円、14gaサージカルステンレス製で12800円となります。

【オーバルカットナベルカーブ】のページからご注文後、
オーダーフォーム上のメッセージ欄にて
「トップをフラワーエンド希望」とお書き添えの上、送信してください。
その際、フラワーエンドの素材や素材カラー、ジェムカラーとジェムの配置も
お忘れなく、ご記入下さいね!!


記者でも何でもない私にとって、この記事をまとめて、写真を選んでアップするのは正直、容易じゃなかったです…しかも、年末の繁忙期だし。
でも、この日記によって、皆さんが更にアナトメタルのジュエリーに愛着を持って下さるのではないか、更に自信を持って装着して下さるのではないか、という願いと共に書き上げました!!

たまに、ボディピアス初心者の方から、
「何でアナトメタルのジュエリーはこんなに高いんですか?何が違うんですか?」
という、質問をいただくことがあります。

そんな方たちにも、この日記を読んでいただければ、納得してもらえるのではないか、と。
まあ、アナトメタルを1度手にとって、装着してもらえれば、その価値はわかるんですけどね。

アメリカ西海岸縦断記は、後2回続く予定ですが、あとはプライベートなダラダラ日記(笑)になると思います。










コメント

  1. ケリー@慧琳2010年12月15日 18:54

    凄い凄い!
    本当に職人技ですね!!
    しかも石がスワロフスキーだったとは、また驚きです。

    これだけの工程作業だったらアナトメタルのジュエリーは高いとは思いません。

    ここまで取材(?)してくださったゆかっちに感謝です♪

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  2. うんうん、私もこの目でジュエリー作製過程を生で見てきて、
    「これは高いどころか、ありがたいくらいの価格だ!」
    って、思っちゃいました。

    何せ社長が熱い男で(笑)、
    「YUC!!ここもちゃんと写してくれ!ここは大切だ!!」と、
    自ら引っ張り回してくれた結果が、この日記です。

    とにかくケリーさんに、アナトメタルの思いが伝わったようで、
    わたしゃあ幸せです♪

    返信削除
  3. こちらでははじめまして!mixiでコミュに入ってる者です。

    凄い…!想像以上に細かい作業の連続ですね。
    私が身につけているジュエリーもこんな風に
    様々な人の手によって金属の塊から生みだされたものなんだと思うと
    ますます可愛い存在になってしまいます。

    返信削除
  4. はじめまして。
    (RIN-KGとEXTREMEでお世話になっています)

    いつもお守りのように身につけているANATOMETALのピアスですが、アメリカで作られていることは知っていても
    どんな場所でどんな風にして、どんな方々が作っておられるのか知らずにいました。

    この記事を見て、わたしの耳とアメリカが繋がったような気がします♪

    それにしても、手元にあるパーツを手に取ってみても、これは精密機器のレベル。
    ジェムの台座に切ってあるネジも、虫眼鏡を使わないとちゃんと見えないくらいです。

    こうやって丁寧に丁寧に作られていたのですね~^^

    MADE IN JAPANのCITIZENの機械がANATOMETAL社に入っていたのを見つけた時は感激されたのではないでしょうか?
    PCを通して見たわたしも感激してしまいました~☆

    貴重な記事を、ありがとうございました。

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  5. >チャボさん、こちらへの初の書き込みとっても嬉しいです!!

    本当に、あんな無骨な金属の塊たちが、ANATOMETALの努力と愛情と技術で、これだけ美しいジュエリーに変身する…
    まるで蝶のようですよね。
    私も、本社訪問以降、1つ1つのジュエリーに更に愛おしさを感じています。


    >KiKiさん、はじめまして!
    今回の、本社レポート、KiKiさんをはじめ、本当に沢山のアナトメタルファンの方々に喜んでいただけて、とても感動してます。

    しかもこの日記で「わたしの耳とアメリカが繋がった」なんて、最高に嬉しいお言葉です!!
    やはり作っている人を知る、その作業を知る、ということで、そのジュエリーに魂が入った感じがしますよね。

    同じような精密機械が5台ありましたが、その中でもMADE IN JAPANのCITIZENの機械は、一番高性能だ!と、社長が言ってました。
    MADE IN USAのアナトメタルのピカピカジュエリーを生産するのに、MADE IN JAPANの最高性能の機械を使うというのは、素晴らしい異文化交流ですよね(笑)

    それでは、これからもヨロシクお願いします!

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  6. はじめまして。
    初めての書き込みです!!

    お客様への姿勢、すばらしいと歓心いたしました。
    製造過程に込められた思い、というのはそう簡単には伝わらないものでとても難しいのもだと感じています。
    どれだけお客様の目線に近づけるか...本当に大切なことだと思います。

    私も独自に開発した素材でのジュエリーの販売をやっておりますが。
    お客様を思う気持ちに共感を覚えました!!

    私たちはお客様のために雇われ、日々進化していく為の努力を怠らない。
    もっとこの日記を多くの方に見ていただきたいです。


    これからの更なる進歩、参考にさせていただきます。
    ありがとうございました!!!!

    返信削除
  7. >今井まなみさん

    はじめまして!!
    そして賞賛のお言葉、ありがとうございます。
    随分昔の日記だったので、なかなか書き込みに気付かず申し訳ありませんでしたm(_ _)m

    人体に入るものを作ること...これは並々ならぬ努力と勉強、そして責任感が必要になります。
    アナトメタルでは、どんなに作りたいデザインがあってもまずは人体への安全性が優先されます。
    アナトメタルジュエリーの1つ1つに、そしてあらゆる部分に「人体への安全性」という意味での理由があります。

    今井さんも独自に開発なさった素材でのジュエリー販売をなさっているとのこと、確かに時間も費用も掛かりますが、ぶれずにいい物を作り続け、自信を持てるいいものだけを提供し続ければ、必ずついてきてくださる方がいらっしゃいます。

    それをわかって下さるお客様方の為に、お互いにこれからも頑張りましょうね!!
    コメントとても嬉しかったです♪
    こちらこそありがとうございました♥

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